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僕は教育関係の仕事などでビデオ制作をけっこう長くやっています。
撮影はプロの方にお願いしますが、編集はもっぱら自分でやります。 最近はパソコンのビデオ編集ソフトを使っていますが、以前はビデオテープ(ベータカム)の編集機で編集していました。 ビデオ仕事をやり始めたころ、プロのカメラマンやディレクターの方から、撮影・編集のいろはを手取り足取り教わりました。 教わったことの一つに「カッティング・イン・アクション」があります。 これは「カットつなぎ」とも言って、人の動作の途中でカットすること、または一つの動作を複数のカットでつなぐことを意味する撮影・編集の技法です。 たとえば、男が椅子から立ち上がる動作がスクリーンに映っているとします。 最初、椅子に座っている男の後姿の全身が見えます。男は立ち上がり始めます。 その立ち上がる動作の半ばで、近い位置からの撮影による男の正面上半身アップにつながります。 見る人は動作のつながりに意識が引きつけられるため、カットが切り替わったことがあまり気になりません。つまり自然につながるわけです。 自然なつながりなのに、映像の情報量の増加や、視点のダイナミックな移動が獲得できてしまうわけです。 小津安二郎の映画で、老婆と幼児が立ち上がりかけるアップのカットから、豆粒みたいに小さくみえるほどの遠いカットにつなげる場面が、たしかあったと思います。すいませんどの映画か忘れましたが。ポーンと一気に遠ざかってしまって、虚を突かれた気がしました‥‥。 小津安二郎は、それどころか、原節子が室内でお茶を飲もうと茶碗を持ち上げるカットを、笠智衆が公園のベンチに座ってお茶を飲むカットにテンポよくつなげて見せたことがあった、ような気がします。なかったらごめんなさい。 そうそう、小津安二郎はカッティング・イン・アクションを多用した映画監督だったそうです。 以前、テープの編集機で編集していたころは、「ワンツースリー、ポン」とか言いながらピタッと行くようにつないだものです。 1秒の30分の1でもずれていると、不自然に見えてしまうのです。 今はPC上で編集ソフトを使って編集しているので、つなぐ絵とつながれる絵を見比べて、ものすごく間単にぴったりつなぐことができます。 さて撮影の準備においては、本来、この場面はカッティング・イン・アクションだ! と絵コンテで指定して、撮影のプランを立てるはずです。 ところが、きちんとした絵コンテをかく余裕がないまま、撮影の日が来てしまうこともままあります。 それなら同じ動作を遠めと近めや正面と横からなど、複数回撮影しておけばよい。 編集のときに適当にカットを選んで、カッティング・イン・アクションにするのです。 動作の途中で「どうももたつくな」と思ったときも、途中から別アングルにつなぐとすっきり見やすくなります。 つまりカッティング・イン・アクションは、撮影準備をさぼったりNGっぽいカットを編集でなんとかするためにも役立つ技法なのです。 最近、ある機器の操作方法を教える映像を作る仕事がありました。 ただし予算の関係で、お客様が撮影してきた映像をこちらで編集するというパターンになりました。素人撮影です。心配です。 そこで撮影前にこんなお願いしました。 「遠めと近めや正面と別アングルなど、複数回撮ってください」 おかけで編集でなんとかなりました。 (じ社員) |
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